玉レタスがいつまでも結球しないので化成肥料を足し続けたら苦くなって食べられなくなった失敗談(グレートレーク・家庭菜園)
「まだ巻かないな……」と毎朝レタスの中心を覗き込むたびに、胸の奥がざわざわした。結球レタスなら自然に丸くなるものだと思い込んでいたのに、葉は広がるばかりで芯が締まる気配がない。結果だけ言えば、最後は一応形にはなった。でも、包丁を入れた瞬間に鼻に抜けた青臭さと、口に入れたときの強烈な苦みは今でも忘れられない。「なんでこんな味になるんだよ……」と、独り言が漏れた。
失敗したのは数年前の秋、近畿地方の中間地。品種はアタリヤのグレートレークだった。9月上旬に種をまき、発芽も揃って安心していたが、10月に入っても結球の兆しが見えなかった。昼はまだ暑く、畑に立つと土の匂いとむっとした空気がまとわりつく。焦りから、化成肥料を少し、また少しと追加してしまった。雨の後に肥料の匂いが土から立ち上るのを「効いてる証拠」だと都合よく解釈していた。
そのときの気持ちは、完全に不安と自己否定だった。「自分はレタスすらまともに作れないのか」「もっと肥料をやらないとダメなんじゃないか」と、迷いが止まらなかった。葉が大きくなるたびに期待して、結球しない現実を見て落ち込む。その繰り返しだ。収穫間近になっても喜びより怖さが勝っていて、包丁を入れる手が少し震えたのを覚えている。
結局、食べてみて初めて異変に気づいた。苦い。とにかく苦い。家族も一口で箸を止め、「これはちょっと……」と言葉を濁した。原因を調べる中で、窒素過多だと知った。思い返せば、結球しない不安から肥料を足し過ぎていたのは明らかだった。
なぜこんな失敗をしやすかったのか。当時は「結球=肥料不足」という短絡的な考えしか持っていなかった。気温や品種特性、土の状態よりも、即効性のある行動にすがってしまったのだと思う。今なら、葉の色や勢いを見て一度立ち止まれたはずだ。あのときは「待つ」という選択肢が頭から抜け落ちていた。
レタスの記事をまとめて見る