バラは地植えじゃないと無理だと思い込んで鉢栽培を諦めかけた話
2026-01-14
正直に言うと、バラは庭がないと無理なんだろうなと思い込んでいた時期があった。ネットや人の話を見ていると、地植えで自然樹形が本来とか、広い庭じゃないと限界が来るとか、そんな言葉ばかり目に入ってきて、うちのベランダに並んだ鉢を見ながら、なんだか自分のやり方が全部間違っているような気がしてきた。朝の水やりの時も、葉の匂いを嗅ぎながら、これ以上大きくできないのかな、と独り言を言っていた。
実際の状況としては、集合住宅のベランダで鉢植えのバラを育てていた。日当たりは午前中だけ、風も強く、真夏は鉢が熱を持つ。アーチやオベリスクに誘引する余裕もなく、剪定も控えめだった。春先に新芽が出ても、周囲の『庭持ち』の話を聞くたびに、自分の環境では無理なんだと勝手に線を引いていた。鉢の土を触ると乾きやすくて、これで合っているのか不安ばかりが積もっていった。
なぜそう思い込んでしまったのかというと、都合のいい情報だけを拾っていたからだと思う。地植えの写真や大きく育った話ばかり見て、鉢でも楽しんでいる人の声は無意識に無視していた。『本来はこう』という言葉に弱くて、それに当てはまらない自分を否定していた。当時は、自分の環境に合わせるという発想が抜け落ちていたんだと思う。
今振り返ると、見直すべきだったのは環境そのものではなく、考え方だった。鉢でもできる範囲で楽しめばよかったし、無理に正解を探す必要はなかった。大きくしなくても、花が一輪咲くだけで十分だったのに、他人の基準を自分に当てはめて苦しくなっていた。
あの頃は、正直つらかった。バラが好きなはずなのに、育てる時間がプレッシャーになっていた。朝の空気が少し湿っている日も、葉に触れる手が重かった。今は、あの思い込みに気づけたことが一番の収穫だったと思っている。
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