氷点下の朝に水やりして毎年腐らせた…アデニウム冬越しで繰り返した致命的な勘違い
「今年こそは大丈夫だろう」と思いながら、また同じことをやってしまった。冬でも外に置いたまま、土が乾いたら水やり。それだけのつもりだったのに、気づけば葉が次々落ちて、触れない地際のあたりが静かに腐っていた。アデニウムは強い、砂漠の植物だ、という言葉だけを信じていた自分がいた。結果として残ったのは、鉢を持ち上げたときの嫌な軽さと、鼻につく湿った匂いだった。
住んでいるのは内陸寄りで、冬の朝は氷点下5℃まで下がることも珍しくない。ベランダに置いたアデニウムに、例年通り朝のうちに水をやった。日中は多少気温が上がるし、直射日光も当たるから平気だと思っていた。ところが数日後、葉が黄色くなり、触るとぽろぽろ落ち始めた。幹自体は太くて見た目に変化がなく、「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせていた。
でも内心はずっと不安だった。「またかもしれない」「今年もダメかもしれない」と思いながらも、鉢から抜く勇気は出なかった。毎年、同じ失敗をしているのに、なぜか今年だけは違う気がしてしまう。葉が落ちるたびに胸がざわつき、夜に暖房の入った部屋でアデニウムのことばかり考えていた。
今振り返ると、冬の低温下で水を与えること自体が危険だった。幹が硬いか柔らかいか以前に、根が水を吸えない温度だったことに気づいていなかった。見た目が元気そうでも、地際で静かに腐るということを、頭では知っていたはずなのに、毎年同じ判断をしていた。
本当は、もっと早い段階で水を切り、温度管理を優先すべきだったのだと思う。外に置くなら断水、室内に入れるなら温度を一定に保つ。そのどちらも中途半端だった。「水をやらないのが怖い」という気持ちが、結局は一番の原因だったのかもしれない。来年は同じ後悔をしない、と毎年思っている。それでも、また同じ冬が来るのだと思うと少し怖い。
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