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川の土手からナズナを根ごと移植したら不安になった話|野草を庭に定着させようとして迷い続けた記録

2026-02-09

正直なところ、うまくいったかどうかは今でも断言できない。ただ、川の土手からナズナを4株、根ごと掘り上げてプランターに植えたあの日のことはよく覚えている。「これって本当に大丈夫なのか?」という独り言が、何度も頭の中を巡っていた。定着してくれたらいいな、という期待と、やってはいけないことをしているのではという不安が混ざったまま、今もその感覚は残っている。

時期は春先、まだ朝夕が少し冷える頃だった。川沿いの土手は前日の雨で少し湿っていて、スコップを差し込むと、黒っぽい土がしっとりと持ち上がった。ナズナは思っていたよりもしっかり根を張っていて、「あ、これ途中で切れたらダメかも」と手が止まった。周囲には車も人もいない静かな時間帯で、風の音と川の水音だけが聞こえていた。

掘り上げている最中、胸の奥が妙にざわついた。「これ、盗掘って言われたらどうしよう」「庭に持ち帰って枯れたら意味ないよな」。袋に入れたナズナを何度も見ては、「本当に連れて帰ってよかったのか?」と自問していた。期待よりも、後悔の予感の方が強かったかもしれない。

家に戻ってすぐ、用意していたプランターに植え替えた。市販の培養土に、川土を少し混ぜ、根を崩さないようにそっと埋めた。水をやると、土の匂いが一気に立ち上がり、野外の空気が室内に入り込んできた感じがした。数日後、葉がしおれず立っているのを見て、少しだけ肩の力が抜けた。

今思えば、あの不安は知識不足から来ていた。野草は強いという思い込みと、法律やマナーへの曖昧な理解。その間で揺れていた。当時は「育てたら雑草じゃない」という言葉を都合よく信じていたんだと思う。

振り返ると、もっと慎重に考えるべきだった点は多い。せめて種だけにするとか、場所や状況を調べてから動くべきだった。でも同時に、あの迷いごと含めて、自分にとっての園芸の入口だったのも事実だ。今もプランターのナズナを見るたび、あの土手の湿った感触を思い出す。



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