イエルバブエナがハダニだらけになった夏、ベニカをかけたのに全然安心できなかった話
正直なところ、最後は「まあ、これも経験だよな」と自分に言い聞かせるしかなかった。ミントは強い、イエルバブエナも丈夫、そう思い込んでいた。切り戻せばまた伸びるし、多少葉が汚れてもすぐ回復する。そう信じていた自分の気持ちが、後から振り返ると一番の落とし穴だった気がする。ハダニを見つけた時点で、もう少し覚悟を決めるべきだったのかもしれない。
異変に気づいたのは7月の終わり頃、連日30度を超える暑さが続いていた時期だった。鉢植えで育てていたイエルバブエナが、40cmくらいまでこんもり育っていて、見た目だけは立派だった。ところが葉の色がどこかくすんでいて、よく見ると細かい白い点が無数に広がっていた。葉裏を覗くと、うっすらと蜘蛛の巣のようなものが見え、「あ、これハダニだ…」と背中がゾッとした。風も弱く、蒸し暑い空気の中で、葉を触るとザラッとした感触が指に残った。
その時の気持ちは、正直かなり混乱していた。「ミントなのに?」「こんなに元気そうだったのに?」という戸惑いと、「また虫か…」といううんざり感が一気に押し寄せた。ネットで調べると、ハダニは乾燥と高温で一気に増えると書いてあって、「ああ、やっぱり夏か」と妙に納得してしまったのも覚えている。後悔というより、油断していた自分への苛立ちの方が強かった。
とりあえずホームセンターでベニカナチュラルスプレーを買ってきて、葉裏を中心にこれでもかというくらい吹きかけた。薬剤の匂いがむっと立ち上がり、葉が濡れて重たく垂れ下がるのを見ながら、「これで少しは落ち着いてくれ」と願うしかなかった。ただ、頭の片隅では「卵が残ってたら意味ないよな…」という不安がずっと消えなかった。結局、数日後には新しい葉にも白い点が出始め、思い切って地上部をかなりバッサリ切ることになった。
今思えば、失敗が起きやすかった理由ははっきりしている。ミントは強いというイメージに甘えて、日々の葉裏チェックをほとんどしていなかったこと。水やりも表面だけで、乾燥対策を十分に考えていなかった。当時は「そのうち雨が降れば流れるだろう」なんて、都合のいいことを考えていたのも事実だ。
振り返ってみると、見た目が元気な時ほど注意が必要だったんだと思う。白い点を見つけた段階で、「まだ大丈夫」と思わず、もっと早く切り戻すか、隔離する選択肢もあったはずだ。ミントだから大丈夫、という思い込みが、一番危なかった。そう感じている。
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