ライラックが夏の高温で枯れたときの体験談|地植えで失敗した原因と後悔
春の終わり、神奈川の自宅の庭に姫ライラックを植えた。花芽がたくさん上がってきていて、今年こそ甘い香りを楽しめるはずだった。ところが7月に入った頃から、葉の色が急に悪くなった。日中の気温は連日35℃近く、地面も触るとじんわり熱を帯びていた。朝夕の水やりは欠かさなかったのに、葉はチリチリと乾いた音を立てて落ち始めた。8月の猛暑日に、幹の根元を見た瞬間、台木から細い芽がいくつも伸びているのに気づいた。主枝はすでに茶色く硬くなり、指で押しても全く弾力がなかった。完全にダメだった。
そのときの気持ちは、言葉にならないほど落ち込んだ。毎年楽しみにしていた香りの庭が、一気に崩れた感覚だった。甘く香るはずの木が、まるで枯れ木のような匂いしかしない。手入れを頑張ってきたのに、どうして自分だけ失敗したのかと情けなくなった。夏の強い日差しが、ここまで植物を追い詰めるとは思っていなかった。葉がボロボロになっていくのを見ながら、助けられなかった自分の判断の甘さをずっと責めていた。
振り返ると、そもそも関東以南の気候ではライラックは難しい種類だった。風通しや涼しさが必要なのに、庭の一番日当たりの良い場所に植えてしまった。水はけの良い土を用意したつもりでも、真夏の豪雨で根が蒸れていたのかもしれない。当時は、乾燥による水切れだと思い込んで、さらに水を与えてしまった。結果的に、根腐れと高温障害を同時に起こしていたのだと今は感じている。
今なら、もっと違う選択をしたと思う。半日陰で、地面がひんやりしている場所に移植するべきだった。鉢植えで夏だけ移動できるようにする手もあった。高温期にはマルチングで根元の温度を下げることも考えられたはずだ。台木の芽が出た時点で、早く主枝を整理していれば、多少は助かった可能性もあった。何より、暑さに弱い植物を無理に地植えしないという判断が必要だった。
もう一度ライラックに挑戦するかは正直迷っている。ただ、あの強い香りを忘れられない。次に植えるなら、風の抜ける涼しい場所を必ず探すつもりだ。失敗は痛かったけれど、庭づくりの勉強にはなった。あの夏の暑さを甘く見ていた自分を、今も少し悔やんでいる。
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