モミジ苔玉を銀座で買って冬に枯らした話。道の駅で売ってる理由が身にしみた
2026-01-18
正直、あの時は見た目だけで手を出した。夏の終わり、仕事帰りにふらっと寄った銀座の小さな園芸店で、赤く色づき始めたモミジの苔玉が2,500円くらいで並んでいた。丸くてかわいくて、まるで生花みたいだった。家のリビングに置いた瞬間は、土と苔の湿った匂いがふわっと広がって、ちょっと幸せだった。でも、冬を越せなかった。暖房の効いた室内に置きっぱなしで、水やりも霧吹き程度。年明けには葉が全部落ちて、触ると幹までカサカサだった。
後から振り返ると、苔玉って鉢植えよりも乾燥が早い。あの小さな土の塊に、屋外樹木のモミジを閉じ込めてるんだよな。観光地の道の駅で爆売れしてるって聞いた時は「ひでぇ~」って思ったけど、結局自分も同じことをしただけだった。紅葉を楽しんだら終わり、そんな感覚で売られてるのも納得だった。
あの時の自分は、盆栽の知識なんてほとんどなかった。赤玉とかケト土とか、用土のことも考えなかった。ただ、リビングのテーブルに飾って、時々眺めるだけ。それで育つわけがない。外に出す勇気もなかったし、寒さで枯れるんじゃないかって勝手に怖がっていた。
結果的に、見直すべきだったのは置き場所だったと思う。屋外の風と温度差を感じさせないと、木は眠ることも出来ないんだなって。冬の朝、ベランダに出た時の冷たい空気を今でも思い出す。あの中に置いてあげるべきだった。
枯れた苔玉を片付ける時、なんか情けなかった。せっかくきれいだったのに、飾りとして終わらせた自分が恥ずかしい。あれは、ちゃんと育てる気持ちがなきゃ買っちゃダメなやつだった。見た目で素人に売るためって言われてたけど、本当にその通りだと思う。
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