原種シクラメン・コウムを室内管理で枯らした話 冬でも油断した置き場所と水やりの勘違い
冬の始まり、南関東でまだそれほど冷え込まない時期だった。原種シクラメンのコウムを手に入れて、室内の明るい窓辺に置いていた。外は寒いし、原種だから強いはずだと思い込んでいた。日中は日差しが差し込み、夜は暖房を少しだけ使う部屋で、気温計を見ることもなく過ごしていた。水やりも控えめにしているつもりだったが、土の表面が乾くたびに少量ずつ与えていた。ある日、葉がぐったりしているのに気づいたが、寒さのせいだろうと深く考えなかった。数日後、塊茎に触れると妙に柔らかく、嫌な匂いがした。
その瞬間、胸の奥が冷たくなった。原種だから大丈夫、簡単だという言葉ばかりを信じて、自分の環境をちゃんと見ていなかったことに気づいた。葉がしおれていく様子を見るのがつらくて、鉢を見るたびにため息が出た。窓辺に置いたまま、日中の急な温度上昇や夜間の冷え込みを繰り返していたのに、それを管理とは呼べなかった。守っているつもりで、実は振り回していただけだったんだと思った。
振り返ると、失敗しやすい条件がそろっていた。室内なら安全だという思い込み、原種=丈夫という先入観、そして水を与えないと不安になる気持ち。当時は葉の様子ばかり見て、塊茎や用土の状態を確かめる余裕がなかった。乾燥と湿り気の境目が分からず、結果的に蒸れさせてしまったのだと思う。
後から考えれば、温度と風の動きをもっと意識すべきだった。窓辺でも昼と夜で環境は大きく変わるし、室内は想像以上に空気がこもる。水やりも、安心したい気持ちからではなく、株の状態を基準に考えるべきだった。強い植物という言葉に甘えず、一つ一つ確認していれば違ったかもしれない。
原種だから簡単、という言葉にすがっていた自分がいた。結局、植物は環境との相性でしか生きられない。そう考えると、枯れたコウムは失敗だったけど、見直すきっかけをくれた存在だったのかもしれない。
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