クチナシが完全に枯れたと思った冬…芽吹かず捨てられなかった失敗の記憶
2026-01-30
枝を触ったらポキッと折れたとき、「あ、終わった」と思った。葉は全部落ち、鉢の中は乾ききっている。見た目は完全に枯れ木なのに、どうしても捨てられなかった。「春になったら芽が出るかも」という淡い期待だけで、ベランダの隅に置き続けた。
地域は関東、鉢植えのクチナシ。冬越し中、水やりを控えすぎたのか、寒波の影響か分からない。2月になっても芽吹く様子はなく、枝は茶色で艶もない。土を触ると冷たく、乾いた匂いがした。毎朝確認しては、「今日もダメか」と肩を落とした。
気持ちとしては、諦めきれない自分に疲れていた。「もう捨てた方が楽なのに」と思いながら、ゴミ袋に入れられない。育て始めた頃の香りや花の記憶が邪魔をして、決断できなかった。
当時は、クチナシの回復力を過信していたのかもしれない。「常緑だから強い」「春になれば何とかなる」という思い込みがあった。実際には、弱っているサインをもっと早く受け取るべきだったのだと思う。
後から振り返ると、状態を見極めて区切りをつけることも世話の一部だった。結局その株は復活しなかったけれど、あの冬の迷いは今でも忘れられない。好きだからこそ、判断が遅れた失敗だった。
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