精米所の無料米ぬかがもらえない|家庭菜園ブームで起きた米糠争奪の勘違い体験談
2026-02-03
正直、ちょっとしたショックだった。「いつ行ってもあるもの」だと思い込んでいたからだ。精米所に行けば当たり前のようにもらえていた無料の米ぬかが、ある日を境にすっからかんになっていた。「え、ないの?」と袋を手にしたまま立ち尽くしたのを覚えている。
その頃、野菜が高騰していて、周りでも家庭菜園を始める人が増えていた。時期は2月前後、まだ寒さが残る頃だ。いつものコイン精米所に行くと、米ぬか置き場は空。次の日に行っても空、その次も同じだった。掲示を見ると「ご自由にどうぞ」と書いてあるのに、肝心の中身がない。「今日はたまたまかな」と思っていたが、それが何週間も続いた。
だんだん焦りと苛立ちが出てきた。「今まで普通にもらえてたのに」「自分の分くらいは残っててもいいだろう」そんな気持ちが頭をぐるぐる回った。周囲では、高齢者同士が米ぬかを巡って言い合いになったという話も聞こえてきて、正直、近づくのが怖くなった。「無料のものなのに、なんでこんな空気になるんだろう」と、ため息が出た。
なぜこんな勘違いをしていたのかと言えば、完全に自分の思い込みだった。無料=無限、いつでも手に入るもの、という感覚が染みついていた。家庭菜園が流行る時期や季節による需要の変化なんて、考えたこともなかった。精米所は自分専用の補給基地じゃないのに、どこかで「自分の分はあるはず」と期待していた。
今なら、あのときの自分に言いたい。「無いときは無い、それだけだ」と。慌てて回収に走る必要もなかったし、別のやり方を考える余地もあった。無料という言葉に振り回されすぎていたんだと思う。あの空っぽの米ぬか箱を見た光景は、今でも妙に印象に残っている。
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