記録的な暖冬を信じて大根を全部抜いたら、年末まで寒くて後悔した話
寒い朝に畑を見ながら、あーやっちゃったなと独り言が出た。天気予報で「春の陽気」なんて言われて、大根にスが入るのが怖くて全部引っこ抜いたのが数日前。抜いた直後は、判断早かったかなと少し安心してた。でもその後、冷たい北風が続いて、霜まで降りそうな気配で、予報は大外れだった。畑の土の匂いも冬そのもので、全然春じゃない。あのまま置いておけば、まだ十分使えた気がして、じわじわ後悔が湧いてきた。
そのときの状況は、12月下旬。南関東で、畑は日当たりはあるけど風を遮るものが少ない場所。大根はちょうど太さも揃っていて、首も白くきれいだった。スが入るのが怖くて、勢いで全部収穫してしまった。一本一本抜くたびに、土が冷たくて指先がかじかんで、早く終わらせたい気持ちもあったと思う。
振り返ると、なぜあんな判断をしたのか不思議でもある。天気予報を信じすぎたのと、「今抜かないと全部ダメになる」という変な思い込みがあった。実際は首を切るだけとか、段階的に収穫する方法もあったのに、その発想が出てこなかった。急に暖かくなるという言葉だけが頭に残って、畑の実際の寒さを見てなかった。
あとから考えると、畑に立ったときの空気や土の冷たさをもう少し信用すればよかった。予報より、自分の足元だなって思った。今なら、一本抜いて様子を見るとか、葉の状態を確認するとか、少し間を置くと思う。あのときは全部かゼロか、みたいな極端な判断だった。
全然関係ないけど、その日の夜に鍋をして、大根が大量にあるからひたすら大根消費メニューになった。おろし、煮物、味噌汁。体は温まったけど、鍋をつつきながらも畑のことが頭から離れなかった。冬の大根って、畑にある姿も含めて好きだったんだなと気づいた。
正直、ばかちんだったなと思う。天気予報に振り回されて、畑仕事を急いだ自分が情けなかった。大根を抜いた後の空き畝を見るたびに、まだここに立っててよかったのにな、と何度も思った。次に同じ状況になったら、きっともっと迷って、悩んで、それでも少しは待つ気がする。
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