園芸の失敗談データベース
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石化ヒノキの取り木で夏に乾かして枯らした失敗体験

2026-01-18

3月、まだ少し肌寒い時期に石化ヒノキの取り木を始めた。細い幹に環状剝皮をして、湿らせた用土でしっかり包み、5月には小さな新芽のようなものが顔を出してきた。これはうまくいっている証拠だと思い込み、安心してしまった。ところが8月の初め、連日の猛暑でベランダの鉢土がすぐ乾く状態になり、半日ほど水やりを忘れてしまった。その後から葉色が急に悪くなり、触るとパサパサで力が抜けたようになった。気温は35度近く、空気はむっと重く、用土も完全に乾ききっていた。

その瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられた。あんなに順調だと思っていたのに、私の油断で全部終わらせてしまったのかと、頭が真っ白になった。葉が落ちるたびに「まだ助かるかも」と自分に言い聞かせたけれど、日に日に元気がなくなっていくのがわかった。半月も経たないうちに、枝はカサカサになり、完全に枯れてしまった。あの時の後悔と情けなさは、今でも忘れられない。

振り返ると、取り木は「芽が出た=根が出た」ではなかったのだと気づく。カルスが巻いていただけで、実際には根はまだ形成されていなかった。だから、少しの乾燥でも致命傷になる状態だった。初心者の私は、見た目だけで成功したと勘違いしていた。真夏の乾燥と高温の怖さを、甘く見ていたのだと思う。

今なら、あの時は用土を絶対に乾かさないように管理するべきだったと感じる。特に8月の強い日差しの時期は、朝と夕方の水やりを徹底するべきだった。根が出ているかどうかを、途中で慎重に確認する視点も必要だった。取り木は成功率が高いと言われがちだけれど、条件を外せば簡単に枯れる。そういう作業だった。

結局、残ったのは整理した枝を挿し木にしていた小さな苗だけだ。あの幹を失ったのは悔しいけれど、失敗から学んだことも多い。取り木は簡単だと聞いても、油断せず、毎日様子を見る。それを自分に言い聞かせながら、また新しい木で挑戦していこうと思っている。



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