プランター栽培のニンニクで元肥を入れすぎたかもしれないと不安になった秋の話
ニンニクをプランターで育て始めたのは11月上旬だった。地域は関西寄りの暖地で、最低気温もまだ氷点下にはならない頃。土づくりが大事だと聞いて、張り切って元肥を入れた。茶殻、コーヒーカス、米ぬか、魚粉、鶏糞を少し、草木灰まで混ぜ込んだ。作業中は土の匂いが濃く、手袋越しでも発酵っぽい熱を感じる気がして、なんだか効きそうだと思っていた。植え付け後、数日で芽が出て、葉も5枚ほど確認できたが、その順調さが逆に怖くなってきた。
芽が出ているのに、安心よりも不安の方が強かった。元肥をやりすぎたせいで、あとから根が傷むんじゃないか、肥料焼けするんじゃないかと、毎日プランターを覗き込んでは葉の色を確認した。特に変色はないのに、勝手に「今は大丈夫でも後で一気にくるかもしれない」と想像してしまい、夜も少し気になった。追肥の時期が近づくほど、さらに肥料を足すのが怖くなり、何もできずに時間だけが過ぎていった。
今思えば、有機物をたくさん入れた安心感と、やりすぎたかもしれないという恐怖が同時にあったのだと思う。有機なら大丈夫だろうという思い込みと、ネットで見た失敗談が頭の中でぶつかっていた。発酵の進み具合や分解スピードなんて、その時は全く意識していなかった。ただ「栄養は多いほうがいい」という雑な考えで、プランターという限られた環境を軽く見ていた気がする。
振り返ると、元肥を全部一度に入れなくてもよかったし、追肥で調整するという考え方もあったはずだ。芽が順調に出ているなら、一度立ち止まって様子を見るという選択肢もあった。何かしなきゃという焦りが、一番の敵だったように思う。今なら、追肥を少なめにする判断を自分で納得できるまで待つと思う。
土を触りながら、効かせたい気持ちと怖い気持ちの間で揺れていた。ニンニクは黙って育つのに、人のほうが勝手に慌てているだけだったのかもしれない。焦らないって、思っているより難しい。
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