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桃の袋の中が地獄だった話|シンクイムシ大量発生に気づいた収穫直前

2026-01-26

7月上旬、袋掛けを終えた桃を確認していたときのことだった。地域は関東、梅雨明け前で蒸し暑く、朝から湿った空気がまとわりつくような日だった。袋を軽く触ると、中で何かが動いた気がした。嫌な予感がして袋を外すと、実の周りに小さな虫が何匹も蠢いていた。シンクイムシだった。袋をかけているから大丈夫だと、完全に油断していた。

その瞬間、頭が真っ白になった。袋掛けは最後の砦だと思っていたからだ。中に入られたら終わりだ、という諦めと、なぜもっと早く確認しなかったのかという後悔が一気に押し寄せた。袋の中は湿っていて、独特の匂いがこもっていた。これが虫にとって居心地のいい環境だったのかもしれない。

当時は、袋をかけるタイミングばかり気にしていた。早すぎても遅すぎてもダメだと情報を集め、その通りにしたつもりだった。でも、袋をかけた後の管理については、ほとんど考えていなかった。袋は完全密閉ではない。小さな隙間から侵入される可能性があることを、頭では知っていても実感していなかった。

今思えば、袋掛け=放置、という意識が最大のミスだった。袋の外から様子を見るだけでも違ったかもしれない。完璧な対策をしたつもりになっていた自分が一番危うかった。

袋を外したあとの虚脱感は大きかったが、桃づくりは油断した瞬間に裏切られる、そんな作物だと身をもって知った出来事だった。



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