袋掛けしたのに傷だらけだった大玉白鳳|初収穫で灰星病を疑った夏の記憶
2026-01-26
大玉白鳳を植えて6年目、ようやく迎えた初収穫の夏だった。地域は関西、6月から7月にかけて雨が多く、開花も例年より早かった。蜂はほとんど飛ばず、人工受粉も雨に邪魔され、残った実はわずか9個。亀虫対策で早めに摘果し、袋掛けも済ませていた。それなのに、収穫期が近づくにつれて、袋の中の実に違和感が出てきた。ぶつけた覚えはないのに、茶色い傷みがじわじわ広がっていた。
袋を外した瞬間のショックは今でも覚えている。無傷の実は一つか二つだけ。他はどこかしら傷んでいる。ここまで世話してきたのに、という悔しさと、自分の管理が間違っていたのではないかという不安が一気に押し寄せた。親に渡すつもりでいた実を前に、胸の奥がざらつくような気分だった。自分で食べた一個は驚くほど甘くてジューシーだったから、なおさら複雑だった。
当時は天候のせいだと思い込もうとしていた。雨や急な高温、日照り。確かに条件は悪かった。でも後から考えると、袋掛けをしたことで安心してしまい、殺菌剤などの予防を一切していなかったことが大きかったのだと思う。灰星病という言葉を知ったのは、この後だった。袋の中は安全だと勝手に決めつけていた自分がいた。
今なら、袋掛けは万能ではないとわかる。袋をかけても、病気はゼロにならない。何もしない期間が長すぎた。最低限、状態を見て手を打つという意識が欠けていたのだと思う。知識不足というより、経験不足だった。
甘い桃をかじりながら、これは成功なのか失敗なのか、しばらく答えが出なかった。ただ、桃は想像以上に繊細だということだけは、はっきりと心に残った。
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