チューリップ球根を堆肥と米ぬかの場所に植えて全滅した話 白カビだらけになった冬の大失敗体験
正直に言うと、「まあ大丈夫だろ」と思っていた。チューリップは丈夫だし、多少環境が悪くても春には咲いてくれる、そう信じていた。だから植えたあとも特に気にせず、毎日寒い風の中を通り過ぎていた。結果だけ見ると、完全に油断だったと思う。自分で自分に「なんで確認しなかったんだよ…」と何度も言った。
その年は12月中旬、関東地方で、最低気温は氷点下近く、昼間もひんやりしていた。庭の一角で、堆肥と米ぬかを混ぜて土作りをしていた場所があって、そこにうっかりチューリップ球根を植えてしまっていた。1×2mくらいの範囲で、福袋で買った分をまとめて植えたから100球以上あった。表面は普通の土に見えたし、匂いもそれほど強くなかったから、「まあ平気かな」と思ってしまった。
年明けを過ぎても芽が出ない。周囲の球根は少しずつ動き始めているのに、そこだけ静かだった。不安になってスコップを入れた瞬間、嫌な予感がした。白くてふわふわしたものが見えた。「え…カビ?」と思いながら掘り進めると、球根は原型をとどめず、糸状菌まみれの塊になっていた。思わず「うわ、最悪…」と声が出た。悲しいとか悔しいとかより、頭が真っ白になった。
今思えば、なぜその失敗が起きやすかったのかははっきりしている。堆肥と米ぬかは微生物が活発で、分解熱も出る。そこに休眠中の球根を放り込めば、湿気と菌の温床になる。当時は「土が肥えていれば植物にいい」と単純に考えていた。球根が生き物だという感覚が、完全に抜け落ちていたんだと思う。
あとから振り返ると、植える前に場所をきちんと区切っておくべきだった。堆肥をすき込んだ直後の場所は避ける、せめて一冬置く。それだけで防げた失敗だったはずだ。球根が分解されて土は肥えたのかもしれないけれど、「それでいいじゃん」とは全然思えなかった。やっぱり、春に咲くはずだった花を想像すると、胸が少し痛む。
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