ドワーフナムワを関東で育てて失敗した話 台風前に葉を切らなかったせいで不安だけが残った体験
正直に言うと、あの時は「まあ大丈夫だろ」と思っていた。ドワーフナムワを育て始めて2年目、東京西部の庭で地植えにして高さは150cmほど。台風が近づいているというニュースを見ながらも、葉は半分に切らず、そのままにした。葉を切れば風の抵抗が減ると聞いたことはあったけれど、「葉が破れても大勢に影響はない」という話を信じてしまった。結局そのまま台風を迎えることにした。
台風が来たのは9月上旬だったと思う。湿った空気で蒸し暑く、風が吹くたびに葉がバタバタと音を立てて揺れる。夜中、窓越しに見えるバナナの葉が街灯に照らされて、やけに頼りなく見えた。「折れたらどうしよう」「今年はここまで育てたのに」と、布団の中で何度も目が覚めた。雨の匂いと強風の音で、心臓が落ち着かなかった。
翌朝、恐る恐る庭に出て確認した。結果としては、葉が何枚かビリビリに裂けただけで、幹は無事だった。それでもホッとした反面、「じゃあ何であんなに不安だったんだろう」と気持ちがぐちゃぐちゃになった。葉が破れている姿を見るたびに、「ああ、やっぱり何かしておけばよかったのかな」と後悔がじわじわ湧いてきた。
今思えば、失敗というほどの被害ではない。でも、当時は情報に振り回されていたと思う。葉を切る、切らない、防寒する、しない。どれも正解が一つじゃないのに、自分の環境でどうなるかをちゃんと想像できていなかった。「他の人が大丈夫だったから、自分も大丈夫」という考え方だった。
振り返ると、葉が裂けても生育に大きな影響はなかったけれど、不安な夜を過ごした事実は残った。台風前に少しでも対策を考え、納得した行動を取っていれば、あんなにソワソワしなかったはずだ。「何もしない」と決めるのも、ちゃんと考えた上でじゃないとダメだったんだな、と今は思っている。
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