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春菊の発芽率が30%しか出なかった年の話|暑さで芽が消えていく不安と種まき時期の勘違い

2026-01-30

結局その年の春菊は、思っていたほど育たなかった。発芽さえすれば後は楽だろうと、どこかで油断していた気がする。「まあ半分くらいは出るでしょ」と軽く考えていた自分が、今思えば甘かったんだと思う。結果として収穫量はかなり少なく、鍋に入れてもスカスカで、心の中で何度もため息をついた。

種をまいたのはまだ残暑がしつこく残る9月上旬。昼間は30度近くまで上がり、土に触るとむわっと熱気が伝わってくるような気温だった。本葉が出始めたタイミングで一気に暑さが戻り、「この暑さで即死しそう…」と嫌な予感がした。その予感は当たり、発芽したはずの芽が次々と姿を消していった。最終的に芽が残ったのは全体の3割ほどで、場所によっては発芽ゼロのところもあった。

芽が出ない畝を見たときは、正直かなり落ち込んだ。「大根は全部出てるのに、なんで春菊だけ…?」と、土や種を指でいじりながら独り言が漏れた。毎朝水やりのたびに期待して覗き込んでは、変化がない土を見て胸が重くなる。そのうち水やり自体が少し億劫になってきて、気持ちまで萎れていくのが自分でも分かった。

今振り返ると、春菊の発芽温度の狭さを甘く見ていたんだと思う。冬野菜というイメージだけで「多少暑くても大丈夫だろう」と思い込んでいた。でも実際には、暑すぎてもダメ、寒すぎてもダメで、その微妙な時期を外すと一気に失敗しやすい。当時は「発芽率が悪い野菜」という言葉だけが頭に残っていて、環境側の条件まで考えが及んでいなかった。

もしあの時に戻れるなら、もう少し涼しくなってから蒔くか、日中の直射日光を避ける工夫をしていたと思う。急いで蒔かなくてもよかったし、発芽までの数日は気温を意識して置き場所を変える選択肢もあったはずだ。「早く食べたい」という気持ちだけで動いた結果だった。今でも秋になると、あのスカスカの畝を思い出して少し苦くなる。



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