9月にホウレンソウを播いて芽が出ない…発芽温度を知らずに失敗した初心者の後悔
正直に言うと、結果はほぼ見えていたのかもしれない。ホウレンソウは丈夫な野菜だと思い込んでいて、「涼しくなってきたし、そろそろ撒けば大丈夫だろ」と軽い気持ちで種を播いた。芽が揃って出てくる未来を想像していたが、現実は土の表面がいつまでも静かなままだった。今思えば、あの時点で嫌な予感はあったのだ。
去年の9月中旬、関東の住宅地。昼間はまだ汗ばむ日も多く、夜もエアコンなしでは寝苦しい日が続いていた。庭の一角を耕し、前日に水を含ませた土にホウレンソウの種を筋播きした。天気は晴れ続きで、土の表面はすぐ乾く。朝晩に水をやりながら「一週間もすれば芽が出るはず」と信じていたが、7日経っても10日経っても何も起きなかった。
毎朝しゃがみ込んで土を覗くたびに、「なんで?」と小さく声が出た。「種が悪かったのか」「水が足りないのか」と原因探しばかりで、不安と焦りが募っていった。せっかく家庭菜園を始めたのに、最初からつまずいた感じがして、正直かなり凹んだ。「ホウレンソウって簡単じゃなかったのか…」と後悔ばかりが頭を回った。
結局、その畝はそのまま放置した。途中で掘り返してみると、種は腐ったような状態で残っていた。後から知ったが、ホウレンソウは15~20℃が発芽適温で、25℃以上では発芽が抑制されるらしい。あの9月の残暑では、条件が合っていなかったのだ。
なぜ失敗に気づけなかったのかというと、「秋=涼しい」という感覚に頼りすぎていたからだと思う。実際の地温や日中の暑さを考えず、カレンダーだけで判断していた。当時は発芽温度の存在すら意識していなかった。
今振り返ると、播く前に気温を確認するだけでも結果は違ったはずだ。少し待つ、あるいは春播きに切り替える判断もできたと思う。あの時は「早く育てたい」という気持ちが先走っていた。それが一番の失敗だった。
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