里芋の芽出しで水を切りすぎたら不安地獄になった話|種芋ポット育苗で乾燥させすぎた失敗
正直に言うと、今でもあのポットを指で触ったときの軽さを覚えている。軽すぎて嫌な予感しかしなかった。芽出し中の里芋は「最初にたっぷり水をやって、その後は水やりしない」と書いてあった通りにやっただけなのに、二週間も経つと底まで完全に乾いていた。「これ、本当に大丈夫なのか…?」と独り言が漏れた。結局そのまま信じて待ったが、安心できる材料は何一つなかった。
時期は4月上旬、愛知寄りの中部地方。昼は暖かいが朝晩はまだ冷える頃だった。ポットは小さめで、用土は市販の培養土。最初にしっかり水をやり、その後はベランダの日陰に置いていた。二週間後、表面だけでなく底まで乾いているのを確認してしまった時の焦りは大きかった。芽が動き出したような芋もあったが、確信は持てず、毎日ポットを覗き込んでは何も起きていない現実に落ち着かなくなった。
「根が出た瞬間に水分なかったら終わるんじゃないか」「でも水をやったら腐るって書いてあったよな」と、頭の中で同じ問答を何度も繰り返した。触ると土はサラサラで、湿り気の気配すらない。里芋は多湿が好きというイメージが強かっただけに、この乾き具合が余計に不安を煽った。正解が分からない状態で待つ時間は、想像以上にしんどかった。
結局、我慢できずに軽く霧吹きで湿らせた。びちゃびちゃにはせず、指で押して少し冷たさを感じる程度。それから数日後、明らかに芽が動き始めた芋が出てきた。全部ではないが、完全に止まっていた感じではなかった。結果として致命的な失敗ではなかったが、「乾かしすぎていた可能性」は否定できない。
振り返ると、農業屋の説明は大きめのポット前提だったのだと思う。小さなポットでは保水力が全く違う。当時はそこに気付けなかった。書いてある通りにやったつもりでも、条件が違えば結果も変わる。その当たり前のことを、芽が出るまでの不安な時間で思い知らされた。次はポットサイズと乾き方をちゃんと見る。それだけで気持ちはかなり楽になるはずだ。
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