園芸の失敗談データベース
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ゼラニウムの挿し木で3節目と4節目の間を切ったら根が出る前に腐った体験談、夏の蒸れと失敗の記録

2026-02-15

今思えば、あの時期に挿し木をしたのが無謀だったのかもしれない。それでも「今ならいけるかも」と思ってしまった自分がいる。根が出る前に黒ずんで、指で触るとぐにゃっと崩れたあの感触は忘れられない。やっぱり焦りだったのだと思う。

7月下旬、関東のベランダ。気温は連日35℃近く、夜も25℃を下回らない熱帯夜だった。ゼラニウムの枝を3節目と4節目の間で切り、清潔なハサミを使ったつもりで培養土に挿した。土は市販の培養土に軽石を混ぜたもの。直射は避けて半日陰に置いたが、午後になるとむわっとした熱気がこもる。表面は乾いて見えるのに、鉢の中は湿ったままだった。

数日後、葉が少ししおれ、「あれ?」と胸がざわついた。水が足りないのかと思い、霧吹きもしてしまった。翌朝、切り口が茶色く変色しているのを見つけた瞬間、「やばい、腐ってる」と声が出た。根が出る前に柔らかくなって、引き抜くと嫌な匂いがした。何年も育ててきた株から取った枝だったのに、台無しにしてしまったと落ち込んだ。

慌てて別の枝でも試したが、同じように黒くなった。結局、挿し木は断念し、元株だけを守ることにした。水やりを控えめにし、風通しを意識して鉢の間隔をあけた。8月が終わるころ、気温が少し下がると元株は持ち直したが、挿し穂は全滅だった。

あの時、暑さを甘く見ていたのだと思う。ゼラニウムは丈夫というイメージがあって、「きっといける」と決めつけていた。夜間も25℃を下回らない環境で、蒸れやすい状態だったのに、表面の乾きだけを見て判断していたのが間違いだった。

振り返ると、時期を選ぶべきだったし、挿し穂の管理ももっと乾き気味にすべきだったのだろう。でもその時は、「早く増やしたい」という気持ちが先に立っていた。あの黒ずんだ切り口を思い出すたびに、夏の挿し木は慎重に、と思うようになった。焦りは禁物だった。



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