F1キュウリから採った種をまいてみたら形も味もバラバラ…固定種だと思い込んだ私の勘違い体験談
結局、あのとき素直に新しい種を買えばよかったのかもしれない。自分で育てたキュウリから種を取って翌年まけば、また同じように実るとどこかで思い込んでいた。袋に「F1」と書いてあった意味を、ちゃんと理解していなかったんだ。遊び半分のつもりだったのに、いざ育ててみると予想以上にばらついて、正直がっかりした。
昨年の夏、埼玉の自宅菜園で育てた「夏すずみ」はよく採れた。7月には毎日2〜3本、瑞々しくて曲がりも少ない。種も立派だったから、乾かして保存しておいた。翌年5月、気温が25度を超えた晴天続きの日に、その種をポットにまいた。発芽は揃ったが、定植後の生育が妙に不揃いで、蔓の勢いも葉の形も微妙に違う。最初は気のせいだと思った。
6月後半、いよいよ実がつき始めた。一本は太短く、一本は細長く、イボの出方もまちまち。味も、去年のようなシャキッとした甘みが薄い。「なんで?」と何度も呟いた。自分の管理が悪いのか、肥料不足か、天候のせいかと不安になった。去年と同じように苦土石灰も元肥も入れたのに。自分の腕が落ちたのだと思うと、ひどく落ち込んだ。
結局、ホームセンターで改めてF1苗を買い直した。隣に植えたその苗は、やはり揃って勢いがある。同じ畝、同じ水やりでも明らかに違う。そこで初めて、F1から採った種は性質が揃わないことをちゃんと調べた。雑種第2代で分離する、と知ったとき、「ああ、これだったのか」と肩の力が抜けた。自分の栽培技術の問題だけではなかったのだ。
当時は「自家採種=節約で賢い」と単純に考えていた。固定種かどうかも確認せず、袋の表示も流し読みしていた。F1の意味を知識としては聞いたことがあっても、自分の畑で起こる現象と結びついていなかったのだと思う。
振り返れば、種袋の表示をしっかり見ておくべきだったし、試すなら「実験」と割り切る心構えが必要だった。去年と同じ結果を当然のように期待したのが失敗だった。今は固定種とF1を分けて管理している。あのバラバラな実を見た夏の衝撃は忘れない。あれは勘違いだった、と今なら言える。
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