冬にカミキリムシを見つけて慌てたイチジクの失敗談とダントツ水溶剤散布の後悔
12月の朝、霜で白くなった庭に出たときだった。葉もほとんど落ちて、完全に冬支度に入ったはずのイチジクの幹を何気なく見たら、茶色いカミキリムシがのそのそ歩いていた。まさかこの寒い時期にいるとは思わなくて、一瞬頭が止まった。慌てて手袋越しに首を折ったけれど、すでに産卵されていたらどうしようと不安になった。幹の表面を指で触ると、ざらっとした感触の下に小さな傷がいくつもあって、そこに卵を埋め込まれている気がして気味が悪かった。気温は5℃くらい、空気も冷たくて指先がじんじんしていた。
その日からずっと落ち着かなかった。もし幼虫が春に出てきて幹の中を食い荒らしたら、この木はもうダメかもしれないと思うと、夜も何度も目が覚めた。夏にたくさん実をつけてくれたお気に入りの株だったから、守れなかった自分が情けなかった。とりあえずダントツ水溶剤を水に溶かして、幹や枝の付け根に念入りに噴霧した。薬剤の匂いが鼻に残って、これで本当に効くのかと半信半疑だった。もっと早くから定期的に散布しておけばよかったと後悔した。
今思えば、冬だから大丈夫という思い込みが一番の原因だった。寒くなると活動しないと勝手に考えていて、幹のチェックもほとんどしていなかった。ネットや動画でも、秋以降は油断しがちという話を見ていたのに、自分は関係ないと思っていた。暖地だから多少気温が高い日もあるし、そのタイミングで侵入していたのかもしれない。当時はそこまで想像が及ばなかった。
振り返ると、被害を防ぐより「見つけたら対処する」だけの姿勢だったのがまずかった。枝の根元をよく観察して、怪しい穴やフラスが出ていないか確認するべきだった。薬剤も、ダントツ水溶剤だけでなく、時期に応じて他の方法も検討すればよかった。今は剪定後の幹にも必ず散布するようにしている。これで完璧とは思わないけれど、少しは安心できる。
あの朝の光景が、いまだに頭から離れない。冬でも油断したらすぐにやられるんだと、身に染みた。ちゃんと見ていれば防げたかもしれないのに、と思うと悔しい。でも、同じことを繰り返さないようにするしかないんだよな…という気持ちだ。
イチジクの記事をまとめて見る