イチジクの偽物苗をヤフオクで買ってしまい混乱した失敗談
春先、まだ寒さが残る3月の終わり頃だった。私はどうしても欲しかった海外品種のイチジクを、ヤフオクで見つけて落札した。写真では枝も太く、ラベルもきれいで、いかにも本物らしく見えた。届いた苗は一見元気そうだったが、植え替えの時に根を見た瞬間、妙に細く、樹皮の色も違和感があった。気温は日中でも15度ほど、土はまだ冷たく湿っていた。その時点で少し不安だったが、私は「きっと環境のせいだろう」と自分に言い聞かせて、そのまま鉢に植えた。
しかし夏になり、梅雨の蒸し暑さが続いた頃、実がなり始めてから明らかにおかしいと感じた。期待していた果肉の赤紫色ではなく、ただの薄いピンク。味も水っぽく、甘みが足りない。収穫した瞬間、頭が真っ白になった。あれだけ高いお金を出して、ずっと楽しみに育ててきたのに、これが本物じゃなかったらどうしようと、胸の奥がざわざわした。自分の判断が甘かったと、情けなくなった。
振り返ってみると、出品者の説明文には曖昧な表現が多く、品種名のスペルも微妙に違っていた。私は欲しい気持ちが強すぎて、そういう細かい点を見逃していたのだと思う。評価欄にも、同じような疑問を書いている人がいたのに、ちゃんと読んでいなかった。あの時は、ただ「珍しいから欲しい」という気持ちだけで動いてしまっていた。
今なら、もっと慎重に確認すべきだったと感じる。届いた時点で違和感があったなら、まずは記録を残して出品者に問い合わせるべきだった。勢いで植えず、しばらく様子を見る余裕も必要だった。結局その苗は、今も鉢の片隅で育っているが、私はどこか信じきれないまま世話をしている。
あの時、焦らず冷静に判断していれば、こんなモヤモヤは残らなかったはずだ。イチジクは本当に奥が深い植物だと思う。簡単そうに見えて、こういう落とし穴があるのが、怖いところだ。
イチジクの記事をまとめて見る