マリーゴールドを自家採種したのに発芽しない ボナンザで全部沈黙した春の話
正直、マリーゴールドなんて簡単だと思っていた。去年は花もよく咲いたし、種もちゃんと黒くなっていた。だから今年は買わずに自家採種でいけるだろう、と軽く考えていた。種まきしても芽が出ない時間が続いて、最初は土が悪いのか、気温が低いのかと自分に言い訳していた。でも何日待っても沈黙したままで、だんだん不安になってきた。結局、後から買ってきた市販の種はあっさり発芽して、なんだか悔しかった。
種まきしたのは4月上旬。地域は関東で、昼間は少し暖かいけど朝晩は冷える時期だった。去年育てていたのはサカタのボナンザ系で、花が終わってチリチリになった頃に切り取って乾かし、黒くなった種だけを選んだつもりだった。土は市販の培養土、鉢は浅めの育苗ポット。水やりもやりすぎないように気をつけていた。それでも発芽率は体感で1割もなく、ほとんど動きがなかった。
今振り返ると、自家採種した時点で「受粉していない種」がかなり混じっていた可能性が高かったんだと思う。八重咲きの品種だと、見た目がちゃんとした黒い種でも中身がスカスカなことが多いらしい、という話を後から知った。採った直後は期待が勝っていて、そういう前提を疑わなかったのが原因だった。当時は発芽しない理由を環境のせいにばかりしていた。
もしやり直せるなら、最初から少量を催芽して発芽率を確かめるとか、市販種と同時にまいて比較するとか、そういう確認をすればよかったと思う。全部を一気にまいて、結果が出ないまま時間だけ過ぎるのが一番しんどかった。タッパーで催芽播きしていれば、早い段階で「あ、これはダメだ」と割り切れた気がする。
芽が出ない土を毎日眺める時間は、地味に気持ちが削られる。水をやるたびに、今日こそは、と思って裏切られる感じだった。結局、市販の種を買ってきた瞬間にホッとした自分がいて、それも少し情けなかった。自家採種に挑戦した気持ちは間違ってなかったと思いたいけど、あの春はちょっと苦かった。
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