ホームセンターの見切り品庭木を安易に買って失敗した話 枝先が枯れ込んだ木は復活しないと知ったとき
春先のまだ肌寒さが残る三月下旬、近所のホームセンターで七割引きになっていた庭木を見つけた。葉はまばらで枝先が少し茶色く枯れ込んでいたが、幹は太く、鉢も大きい。「木だから多少弱っていても大丈夫だろう」と軽く考え、そのままカートに入れた。晴れの日が続いていた時期で、売り場は乾いた土の匂いがしていたのを覚えている。帰宅後すぐに水を与え、日当たりの良い場所に置いたが、数日経っても変化はなかった。
毎朝様子を見るたびに、不安がじわじわと大きくなった。新芽が動かない。枝の先を指で触ると、パリッと乾いた感触がして嫌な予感がした。それでも「もう少し待てば芽吹くはず」と自分に言い聞かせ、毎日水をやり続けた。値引きで得した気分が、だんだん後悔に変わっていく。安く買えた嬉しさよりも、「やっぱりダメなものを掴んだのでは」という焦りの方が強くなっていった。
今思えば、枝先がすでに枯れ込んでいた時点で危険信号だった。当時は、木本植物は草花より丈夫という思い込みが強く、見た目の重症度を正しく判断できていなかった。売り場に並んでいる=生きている、という単純な認識もあった。根の状態を確認することもせず、割引率の大きさだけに目を奪われていたのだと思う。
後から振り返ると、買う前に枝を軽く折ってみたり、幹のしなりや色をよく観察するべきだった。値引き品でも、回復可能な状態と手遅れな状態がある。その線引きを自分の中で持っていなかったのが一番の失敗だった。根元が最終的にポキリと折れたとき、ああやっぱりそうだったんだと妙に冷静になったのを覚えている。
安物買いの銭失い、という言葉が頭に浮かんだ。あのときの乾いた枝の感触は、今でも忘れられない。安さに背中を押された判断は、だいたいろくな結果にならない。そう独り言みたいに、今でもホームセンターの見切り棚の前で考えてしまう。
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