桃の新芽がテカテカして縮れた…モスピランを撒いたのにナシヒメシンクイにやられたと気づいた春の失敗談
正直に言うと、今年はいけると思っていた。春先、葉が一気に展開しはじめた頃、「今年は早めに動いたから大丈夫だ」と自分に言い聞かせていた。モスピランを撒いたのも早かったし、雨の前日だったけど「まあ平気だろ」と軽く考えていた。でも数日後、木を見上げた瞬間に違和感が走った。「あれ…葉っぱ、なんか光ってない?」先端がテカテカして、微妙によれている。触ると妙に硬く、指に葉の匂いが残った。嫌な予感がして、胸の奥がじわっと冷えた。
場所は南関東、4月下旬。前日に雨が降り、夕方には地面が乾きはじめた頃だった。朝はまだひんやりしていたのに、昼間は20℃を超えて蒸し暑かった。葉の裏も枝先も一通り見たが、虫の姿は見当たらない。それが余計に怖かった。葉先だけが変形しているこの感じ、過去に一度だけ見たことがある。「これ…ナシヒメシンクイの強リーチ目じゃん…」声に出した瞬間、胃がキュッと縮んだ。
「6日前に薬撒いたのに…」「雨で流れた?」そんな言葉が頭の中をぐるぐる回った。自分では対策したつもりだっただけに、裏切られた感じが強かった。葉を一枚一枚見ながら、「もう中に入ってるんじゃないか」「今日中に撒き直すべきか」と迷い続けた。判断が遅れるたびに、木が黙って傷ついていく気がして、やたら焦った。
今になって思えば、モスピランは“食べさせて効かせる”タイプだという前提を軽く見ていた。撒いたから即防げると思い込んでいたし、雨の影響やタイミングのシビアさも甘く考えていた。当時は「とりあえず薬を撒いた」という行為そのものに安心してしまっていたんだと思う。葉の様子を見る目も、どこか雑だった。
振り返ると、薬剤の性質とタイミングをもう少し怖がるべきだった。葉が展開しきる前、雨の予報、気温の上がり方…全部が重なっていたのに、「まあ大丈夫」と流してしまった。今でも正解が分かったわけじゃないけど、「早く撒いた=安心」じゃないと身に染みた出来事だった。
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