熱帯スイレンが春に芽吹かなかった失敗談|キングオブサイアムは元気なのにカオヒンソーンだけ沈黙した年
2026-01-27
春になって水温も上がり、日差しも柔らかくなった四月下旬。去年まで普通に葉を出していた熱帯スイレンが、今年はまったく芽吹かなかった。睡蓮鉢は直径60cm、置き場所も例年通り南向きで、水も濁っていない。キングオブサイアムは勢いよく葉を上げてきたのに、同じ環境に置いたカオヒンソーンだけが沈黙したままだった。朝の水はまだ冷たく、指を入れるとひんやりしていて、その感触が妙に不安を煽った。水面には動きがなく、待っても待っても変化がない日が続いた。
もしかして冬越しでダメにしたのかもしれない、と思いながらも確信は持てなかった。掘り上げる勇気もなく、水を覗き込むだけで日が過ぎていった。毎朝確認しては、今日こそはと期待して、結局何も変わらない。それでも水草は生き物だから、触りすぎるのも怖かった。なんだか自分だけ取り残された気分だった。
葉が出ない日々が続くと、だんだん焦りが強くなってきた。去年は咲いたのに、なぜ今年はダメなのか。容器が小さかったのか、水温が足りなかったのか、考え始めると止まらない。夜、風呂上がりに外へ出て鉢を見ながら、なんでだよ、と小さく呟いた。育てているつもりで、実は何も分かっていなかったんだな、と少し落ち込んだ。
後から振り返ると、カオヒンソーンは容器サイズの影響を強く受けやすい品種だったらしい。同じ熱帯でも性格が全然違うことを、当時は深く考えていなかった。去年と同じだから今年も大丈夫、という思い込みがあったのだと思う。環境が少し変わっただけで反応が変わることを、身をもって知った年だった。
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