園芸の失敗談データベース
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オスバンSに一晩浸ければ治ると聞いて試したが判断に迷い続けたバラ癌腫の話

2026-01-29

「治る場合もある」という言葉が、やけに頭に残っていた。完全じゃなくてもいい、少しでも望みがあるなら試したい。そう思ってしまった自分がいた。今考えると、その期待自体が重荷だったのかもしれない。

休眠期の1月、気温は一桁台で指先がかじかむ中、株を掘り上げた。癌腫らしき部分を切除して、オスバンSを規定倍率で希釈し、一晩浸けた。薬液の独特な匂いと、静まり返った作業場の空気が妙に印象に残っている。これで少しは状況が変わるのか、半信半疑だった。

植え直した後も、しばらくは落ち着かなかった。芽吹きが遅れるたびに「失敗したかも」と不安になり、少し動きがあると「効いたのかな」と期待してしまう。その繰り返しだった。結局、大きな変化はなく、元気でもないが枯れもしない、そんな状態が続いた。

当時は、「治る」「治らない」という二択で考えていた気がする。でも実際は、樹勢を保つ、延命する、そういう中間の状態もある。そこを理解できていなかったから、結果をどう受け止めていいのかわからなかったんだと思う。

今なら、あの処理は一つの選択肢でしかなかった、と言える。成功とも失敗とも言い切れない曖昧さを受け入れる覚悟が、当時の自分には足りなかった。それが一番の反省点だ。



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