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フェイジョア『アポロ』を鉢増しした直後に突然枯れた話|高価苗の植え替えでやってしまった勘違い

2026-01-30

夏の終わり、8月上旬の蒸し暑い朝だった。思い切って買ったフェイジョアの品種苗「アポロ」を、届いた鉢から一回り大きな鉢へ鉢増しした。値段は5千円を超えていて、箱を開けたときの葉の緑の濃さや、土の匂いまで覚えている。これで安心だと思っていた。ところが数日後、葉の張りがなくなり、触るとしんなり冷たく、色もくすんでいった。水は切らしていない。日当たりも変えていない。それでも毎朝見るたびに元気が消えていく感じがして、胸の奥が重くなった。

そのとき頭の中で何度も浮かんだのは「なんでだ?」という独り言だった。植え替えは良かれと思ってやった。根もほぐしすぎていない。なのに結果だけ見ると、明らかに自分の手が引き金になっている。鉢の縁を指で叩いた音や、土を落としたときの湿り気まで思い出して、あの瞬間に何かを間違えたんだと、ぼんやり確信していた。

葉が落ち始めたときは、正直かなり落ち込んだ。高かったという気持ちもあったけど、それ以上に「フェイジョアは強い」とどこかで思い込んでいた自分への後悔が強かった。朝夕の気温差、蒸れた鉢土の匂い、触るたびに柔らかくなる枝。全部が不安材料に見えて、鉢を見るたびに嫌な汗がにじんだ。

今振り返ると、植え替えに弱いかどうかを自分の中で勝手に決めつけていたのが一番の原因だった気がする。真夏に近い時期だったこと、根の状態をちゃんと見極められていなかったこと、環境変化を一度に与えすぎたこと。当時は「大丈夫だろう」が積み重なっていた。

後から思えば、鉢増しを急がず、まずは環境に慣らすだけで良かったのかもしれない。根を触る怖さをもっと想像するべきだった。元気そうに見えても、内部は違う状態だった可能性もある。あのときの自分には、その想像力が足りなかった。



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