キャベツが一玉にならず小玉が複数できた失敗談|生長点が消えたことに気づけなかった春先の戸惑い
「なんか一株だけ様子がおかしいな」と思っていた。春先、気温が安定し始めた頃に畑を見回ると、そのキャベツだけ明らかに玉が締まらない。収穫が遅れているのか、それとも肥料不足なのか。そんな独り言を言いながら葉をかき分けたとき、小さな玉がいくつも顔を出しているのに気づいた。結局、一株から四つの小さなキャベツができていた。結果的には柔らかくて食べられたが、「これでよかったのか?」という気持ちは残った。
定植したのは2月下旬。関東の平野部で、冬の名残の寒さがありつつも日中は10度を超える日が増えていた時期だった。苗はホームセンターで購入したもの。周囲の株は順調に外葉を広げていたが、その一株だけ中心が不安定で、葉の出方が妙だった。虫食いの跡は外葉に少し見られたが、深刻だとは思っていなかった。
「まあ、そのうち巻くだろう」と放置した自分を、後から何度も思い返した。成長点がやられているかもしれない、なんて発想は当時はなかった。毎朝の水やりのときも、他の株と同じ目で見てしまっていた。「キャベツは強い野菜だ」という思い込みがあったのだ。
収穫の段階になって初めて、中心が分かれて複数の玉になっていることを理解した。調べてみると、どうやら生長点が虫に食われた可能性が高いらしい。確かに、ヨトウムシが出始める時期だった。BT剤も用意していたのに、「まだ大丈夫だろう」と散布を後回しにしていたのが悔やまれた。
この失敗が起きやすかった理由は、初期生育の観察を雑にしていたことだと思う。葉の枚数や大きさばかり見て、中心部を覗く習慣がなかった。寒さが残る時期で油断していたのも大きい。虫は気温が低くても確実に動いている。
今振り返ると、異変を感じた時点で一株だけでも掘り返して確認すべきだったし、予防的に防除する選択肢もあった。「様子を見る」という判断が、一番何もしない判断だった。小玉キャベツという結果は悪くなかったが、狙っていない形になったことへのモヤモヤは、今でも残っている。
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