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イチゴのランナーが突然切れた…白いちご二番苗を夏に失ったときの話

2026-01-15

7月下旬、連日35度前後の猛暑が続いていた頃だった。鉢植えで育てていた白いちごの二番苗は、背丈がまだ1cmほどしかなく、発根したかどうかも正直よく分からない状態だった。それでも貴重な一株だったので、直射日光を避けて半日陰に置き、水やりだけは欠かさないようにしていた。朝は土が乾ききる前に、夕方は熱が下がった頃を見計らって軽く与えていたつもりだった。ある日ふと見ると、その二番苗につながっていたランナーが、根元から千切れていた。引っ張った覚えも、強風が吹いた記憶もない。ただ暑さの中で、静かに切れていた。

一瞬、頭が真っ白になった。ランナーさえ生きていれば、何とか次につなげられると思っていたからだ。十数年かけて受け継いできた謎の大粒白いちごで、親株はすでに病気が出て瀕死の状態だった。この二番苗が最後の希望だったのに、切れたランナーを見た瞬間、胸の奥がじわっと重くなった。暑さにやられたのか、水が足りなかったのか、逆にやりすぎたのか。何度も自分の管理を思い返して、後悔ばかりが浮かんだ。

あとから掘り返して確認すると、やはり発根はしていなかった。白い根は見当たらず、土に触れていただけの状態だった。冷静に考えれば、真夏のこの時期に、体力のない二番苗を定着させようとした判断自体が無理だったのかもしれない。暑さで蒸散が激しくなり、根がない状態では水を吸えず、ランナー自体が耐えきれなかったのだと思う。当時は「水をやれば何とかなる」という気持ちが先行していて、環境そのものを疑えていなかった。

今振り返ると、親株が弱っている時点で、二番苗に過度な期待をかけすぎていた気がする。もっと早い時期に予備を取っておくか、三番苗が出るまで待つという選択肢もあったはずだ。暑さのピークで、根も出ていない苗をつなぎ止めようとしたのは、焦りからくる判断だった。白いちごを守りたい一心で、無理をさせてしまった。

ランナーが切れた鉢を片付けながら、もう少し余裕を持って向き合えばよかった、と何度も独り言をこぼした。植物は待ってくれないけれど、人間の焦りもちゃんと伝わってしまうのだと思った。



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