イチゴの葉が折りたたまれてカチカチに固まったまま動かないまま枯れかけた失敗談
九月下旬、まだ日中は少し汗ばむものの、朝晩は急に空気が冷たくなってきた頃だった。プランターで育てていたイチゴの葉が、ある日を境におかしくなった。茶色く枯れるわけでも、黒い斑点が出るわけでもなく、ただ葉が内側に折りたたまれたように縮こまり、触るとカチカチに固い。茎は瑞々しさがなく、指でつまむとへニャっと力が抜ける感じだった。写真を撮って確認しても、見た目は病気とも害虫とも断定できず、原因が掴めないまま数日が過ぎていった。
その状態を見たとき、正直かなり焦った。イチゴは丈夫だと思い込んでいたし、同じプランターに植えた他の株は普通に葉を広げている。なのに一株だけが明らかに様子がおかしい。水をやりすぎたのか、逆に足りなかったのか、寒さで一気に弱ったのか、頭の中で可能性ばかりがぐるぐる回って落ち着かなかった。触ったときの葉の冷たさや、土の湿った匂いがやけに気になり、失敗したかもしれないという後悔がじわじわ広がっていった。
今思えば、その失敗が起きやすかった理由は、自分の中で季節の切り替えを甘く見ていたことだと思う。夏の延長で水やりの感覚を引きずっていたし、急に涼しくなっても「イチゴは水を好む」という曖昧な認識のまま、同じ量を与え続けていた。マルチングしていたせいで表面は乾いて見えず、プランター内の湿り具合を正確に把握できていなかったのも大きかった。当時はそれに気づく余裕がなく、ただ不安を抱えたまま見守るしかなかった。
後から振り返ると、葉の色や形だけで安心せず、茎の張りや根の状態をもっと早く確認すべきだったと思う。水やりも「多いか少ないか」ではなく、気温の変化と土の乾き方を基準に考えるべきだった。結果的にその株はプランターから外し、露地に移して様子を見ることにしたが、判断が遅れた感覚は残ったままだった。あの時点で一度立ち止まって環境を見直していれば、と何度も考えた。
イチゴは強い、という思い込みが一番の落とし穴だった気がする。強いからこそ、変化に気づくのが遅れる。折りたたまれて動かない葉を前にして、もっと早く疑問を持てなかった自分を、今でも少し悔やんでいる。
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