園芸の失敗談データベース
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黒松の取り木後に発根を焦って確認しそうになった失敗談

2026-01-17

春に取り木した黒松を、1か月ほど経った頃に確認したくなった。場所は東北で、まだ夜は涼しい時期。葉は青いままで、見た目は変化なし。「本当に根が出ているのか」と不安が募った。指でそっと幹を押すと、ぐらつきはない。けれど内部の状態はわからない。ネットで「黒松は根が無くてもかなり長いこと枯れない」と見て、逆に余計に心配になった。抜根して確かめたくてたまらなかったが、触ったら終わりな気もして、結局何もできなかった。あの揺れる気持ちのまま、ひたすら待つしかなかった。

当時は本当に落ち着かなかった。毎朝、芽の動きを探して葉をじっと見る。変わらないのに、期待してしまう。触れば状況がわかるのに、でもいじったら枯れるかもしれない。その繰り返しで、精神的にかなり疲れた。苗が生きているのかどうかも判断できず、「自分の選択は正しかったのか」と何度も考えた。取り木なんて、自分にはまだ早かったんじゃないかとも思った。植物の成長を信じて待つことが、こんなに苦しいとは思わなかった。

失敗の原因は、焦りと経験不足だった。取り木は結果が出るまで時間がかかる作業なのに、すぐ確認したくなってしまう。黒松は強健だからと聞いていたが、その強さに甘えていた。発根していない状態でも葉が青いことがあると知らず、見た目に頼りすぎていた。さらに、発根していなくても出来ることは少ないという現実を受け止めきれなかった。だから、余計に不安ばかりが大きくなったんだと思う。

今なら、あの時の自分に「とにかく触るな」と言いたい。芽が動くまでは、ただ水分と環境を整えて見守るしかない。トレーに半分埋めて乾燥を防ぎ、日差しを柔らかくする。そういう基本的な管理を続ける方が、ずっと大事だった。発根確認をしたところで、根を守れるわけじゃない。だから今は、作業後は一切触らず、目で状態を追うだけにしている。待つことも管理のひとつなんだと、あの経験で理解した。

結局、その黒松は夏の終わり頃に新芽が少し動き、発根していたことがわかった。あの時無理に抜かなかったから、助かったのかもしれない。盆栽は本当に時間のかかる趣味だな、としみじみ思った。



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