柚子が大量に実って困惑 使い道が思いつかず持て余した家庭栽培の誤算
2026-01-21
庭の柚子が予想以上に実った年があった。見た目は立派だが、みかんのようにそのまま食べられるわけではない。収穫期が近づくにつれ、どう使うか考えるだけで気が重くなった。加工すればいいと言われても、皮を剥いて絞る手間を想像すると腰が引けた。シャワーだけで済ませる生活の中で、柚子仕事をする気力が湧かなかった。
正直、嬉しさよりも戸惑いの方が大きかった。少しなら風呂に入れたり香りを楽しめるが、大量になると置き場にも困る。剪定はきちんとして樹形も整えていたのに、実が増えるほどプレッシャーが増すのは想定外だった。ブラッドオレンジやネーブルの方が実用的だったのでは、と他の柑橘が頭をよぎった。
今思うと、実がなる=満足、という単純な話ではなかった。育てる前に、その後どう付き合うかまで考えていなかった。香りが好きだからという理由だけで続けてきたが、量が増えた途端、その理由が弱く感じられた。欲が出て、もっと実りのある品種を選べばよかったのでは、と後悔もした。
後からなら、最初から実の数を制限する、使い道を決めてから育てる、そういう考え方もできたはずだ。台木にして多品種接ぎ木という選択肢もあったが、その時はそこまで考えが及ばなかった。結果として、実を前に立ち尽くす時間が増えただけだった。
柚子が悪いわけではない。自分の生活と気力に合った量と品種を見極められなかった、それだけだ。あの年の柚子の香りは、少し苦い記憶と一緒に残っている。
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