園芸の失敗談データベース
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九州北部で紅はるかを掘り遅れたら芋が割れた話 霜を甘く見て収穫時期を誤った失敗体験

2026-01-25

九州北部で家庭菜園として紅はるかを育てていた年のことだった。10月後半になっても葉はまだ青く、蔓も勢いがあり、「冬の間に食べる分を少しずつ掘ればいいか」と軽く考えていた。天気予報では朝晩が冷えると言っていたが、霜まではまだ先だと思い込み、畑に足を運ぶ回数も減っていた。ようやく掘ったのは11月に入ってからで、鍬を入れた瞬間、土の中から嫌な感触が伝わってきた。大きめの芋ほど表面に亀裂が入り、割れた部分から土が入り込んでいた。掘り上げた芋は見た目にも痛々しく、乾いた土とひび割れた皮の匂いが鼻についた。

掘りながら、胸の奥がじわじわと重くなっていった。楽しみにしていた焼き芋のこと、保存して冬に食べる計画、すべてが頭の中で崩れていった。もっと早く掘っていれば、という後悔が何度も浮かんだ。霜なんて大げさだと思っていた自分の判断を、土の中の割れた芋が責めてくるようだった。割れていない芋を探そうと必死になったが、掘るほどに同じ状態の芋ばかりが出てきて、ため息しか出なかった。

なぜこんな失敗が起きたのか振り返ると、紅はるかの収穫適期を「葉の様子」だけで判断していたことが大きかった。当時は、周囲で「まだ大丈夫」「もう少し太らせたい」という声を聞き、その気になっていた。地域差やその年の気温、特に初霜のタイミングを具体的に意識していなかった。芋が地中でどれだけ影響を受けるか、頭では分かっているつもりでも、実感としては理解できていなかったのだと思う。

後から考えると、霜の可能性が出た時点で一度試し掘りをすべきだった。大きさや皮の状態を自分の目で確認していれば、判断は違ったはずだ。収量を欲張る気持ちが強すぎて、「今掘ると損」という思い込みに縛られていた。畑の土の冷たさや朝の空気の変化を、もっと注意深く感じ取るべきだったと今は思う。

割れた芋を前にして、自然相手では待つ勇気と引く勇気の両方が必要だと独り言のように感じた。太らせたい気持ちより、無事に掘り上げることを優先する。その当たり前が、その時は見えなくなっていた。



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