園芸の失敗談データベース
短くまとめた読みやすい体験談・失敗談

紅はるかに鶏糞を入れすぎた結果 低チッ素を知らず肥料で迷走した家庭菜園の失敗

2026-01-25

来年こそ甘い紅はるかを作りたいと思い、秋の畑づくりで鶏糞を大量に入れた年があった。近所で「肥料は多い方がいい」という話を聞き、2tダンプで運んできた鶏糞を見て、これで安心だと妙な達成感すらあった。春になり苗を植えると、蔓は勢いよく伸び、葉も濃い緑で一見順調に見えた。しかし夏を過ぎても芋の太りが悪く、収穫期に掘り返すと、期待していたほどの芋がほとんど出てこなかった。土から立ち上る独特の匂いと、細く頼りない芋を見た瞬間、胸がざわついた。

あれだけ手をかけたのに、という思いが強く、掘りながら何度も鍬を止めた。周りの畑ではそこそこ収穫できている話を聞き、余計に焦りと恥ずかしさが混じった。肥料を入れた自分の判断が間違っていたのではないかと気づき始めた頃には、もう結果は変えられなかった。蔓ばかり立派で中身が伴わない状態に、がっかりという言葉では足りなかった。

当時は、サツマイモが低チッ素を好む作物だということを、知識としては曖昧にしか理解していなかった。葉や蔓が元気=成功という短絡的な考えに引きずられ、芋の生育とのバランスを考えられなかった。鶏糞という身近な資材が、逆に失敗を招くことになるとは、その時は想像できなかった。

今振り返ると、畑に入れる前に「なぜ必要か」を考えるべきだった。量も時期も、周囲の話や勢いだけで決めてしまったのが悔やまれる。土を触った感触や、蔓の伸び方に違和感を覚えた時点で、立ち止まる余裕がなかった。

肥料を足すより、引く判断の方が難しい。紅はるかを前にして、余計なことをしない勇気の大切さを、静かに噛みしめる結果になった。



サツマイモの記事をまとめて見る